ラバウルは東ニューブリテン州のガゼル半島に位置し、首都ポートモレスビーからは飛行機で1時間20分ほどで到着します。
パプアニューギニアの観光地の一つで、活火山やそのふもとに湧く温泉、どこまでも広がるジャングルの景色が美しい南国の街です。
以前州都だったラバウルは、1994年に起こった火山の噴火により、街のほとんどが火山灰で埋まってしまったため、ラバウルから車で約40分の距離にあるココポという街に州都が移りました。
ラバウルの街は現在でも廃れたまま。
代わりに、避難した人々が移り住み、政府機関が移されたココポは、ラバウルの新たな街として活気づいています。
噴火で失われた空港は、新ラバウル空港(別名:トクア空港)として、ココポにつくられました。
また、ラバウルは第二次世界大戦時に日本軍基地があったことでも知られており、現在でもラバウルやココポに数多くの戦跡が残っており、観光スポットとして訪れることができます。
今回は、自然や戦跡といった、見どころ満載のラバウル・ココポのおすすめ観光スポットをご紹介します。
目次
ラバウルの観光スポット
大発格納トンネル
日本軍が使用していた、通称大発と呼ばれる大型発動機艇を格納するために利用されていたトンネル。
当時はトンネルから海岸まで、レールを敷いて船を運んでいたそうです。
現地人が住む村の中にあり、村人がトンネルについて簡単に説明をしてくれます。
トンネルに入るとすぐに1隻目がお出迎え。
途中からは左側の階段を上って、通路から見下ろす形での見学になります。
まっすぐ奥に続くトンネルには全部で5隻の大発が一列に格納されているそうですが、トンネル内の状態のためか、3隻目までしか見えないようになっています。
それでも3隻とも立派な状態で、見応えがあります。
大発格納トンネル(Japanese Barge Tunnel)
住所:Karavi Village, East New Britain Province
地下軍病院跡
5階建ての造りになっているという地下の軍病院跡。
こちらも現地人が住む村の中にあります。
内部は真っ暗で何も見えませんが、懐中電灯を持った村人が説明しながら案内してくれます。
通路は迷路のようになっており、ガイドの村人がいないと絶対に迷ってしまいます。
遺物はほとんど何も残っていませんが、空き瓶などが少しだけ置いてある部屋もあります。
遺物の一部は、村人が家の中に保管しており、後で見せてもらうことができます。
内部を移動する際に、急な階段があったりしますが、ガイドのサポート役?でついてくる子どもたちが、支えるために手をもってくれたりと、すごく優しく、無邪気でとっても可愛いです。
地下軍病院跡(Japanese Underground Hospital)
住所:Karavi Village, East New Britain Province
ニューギニアクラブ
植民地時代や戦争時代の遺物や写真が展示されている小さな博物館。
もとは第一次世界大戦終結後の1919年に建てられ、白人たちの社交場として使われていたようです。
その後日本軍に占領されると、連合軍による空襲にさらされ、被害を受けます。
終戦後に修復されるも、今度は火山の噴火により壊滅的な被害を受けます。
その後、再度修復され、現在の形になっています。
ダメージを受けてはその都度復活し、100年も生き続けているこの建物。
そう考えるとなんだか凄みを感じます。
すぐそばには通称山本バンカーと呼ばれる司令部防空壕があります。
ニューギニアクラブも司令部防空壕も普段は施錠されているため、入るには鍵が必要です。
スムーズに見学するには、ツアー参加で訪れるのがおすすめです。
ニューギニアクラブ(New Guinea Club)
住所:Central Avenue, Rabaul, East New Britain 675, Papua New Guinea
司令部防空壕(山本バンカー)
ニューギニアクラブのそばにある通称山本バンカーと呼ばれる司令部防空壕。
真珠湾攻撃の作戦を発案したとされる連合艦隊司令長官の山本五十六(いそろく)が、ブーゲンビル島で戦死する前に、ここを訪れたと言われています。
噴火で灰に埋もれる前は、見られる部屋がもっとあったそうですが、現在入れるのは3、4部屋のみです。
防空壕の部屋の中は真っ暗なので、携帯電話のライトを使うか、懐中電灯を持っていきましょう。
司令部防空壕(Yamamoto’s Bunker)
住所:Central Avenue, Rabaul, East New Britain 675, Papua New Guinea
潜水艦寄港地
タブイポイントと呼ばれる海岸に残っている洞窟。
ここは日本軍の潜水艦寄港地として使用され、潜水艦で持ってきた物資を保存したりしていたそうです。
この場所の上には、監視哨(かんししょう)があるようです。
今回は時間の都合で行けれませんでしたが、監視哨を見る機会はなかなか無いと思うので、潜水艦寄港地を訪れた際にはぜひ行ってみてください。
潜水艦寄港地(Submarine Base)
住所:Submarine Base, Nonga, Rabaul
ラバウル温泉
1994年に噴火したダブルブル山のふもとにある温泉。別名ラババ温泉。
温泉といっても、日本の露天風呂のような囲いなどはなく、湧き出る温泉が流れ出た温かい海に、入りたい人が水着を着て入るスタイル。
海と空の青と温泉地帯のオレンジのコントラストが見事な景色を作り出しています。
棒が立てられているのは、温泉水でヤケドをしないよう、「棒の内側には入らないで」という注意喚起のため。
この辺りの海水は触ってみると、浸かれそうなちょうどいい熱さです。
入口付近では地元民がバッグやアクセサリーを売っていました。
私が訪れた時にはありませんでしたが、ここの温泉で作った、ツカツクリという鳥の卵を使った温泉卵が売られていることもあるようなので、興味のある方はチェックしてみてくださいね。
ラバウル温泉(Hot Springs)
住所:Rababa Hot Springs
ラバウル火山観測所
ラバウルの旧市街、シンプソン湾、火山が一望できるラバウル火山観測所。
中央の少し左側に小さく見える、他の山より低い黒い山がダブルブル山で、見えにくいですが、対岸にある右側の低い緑の山がブルカン火山です。
この二つの火山の同時噴火によって、ラバウルは壊滅的な被害を受け、廃墟となりました。
ラバウル火山観測所(Rabaul Volcano Observatory)
住所:Rabaul, Papua New Guinea
ココポの観光スポット
ココポ戦争博物館
第二次世界大戦時の戦車や大砲、戦闘機の遺物が展示されており、日本のゼロ戦も見ることができます。
日本軍の兵士が使っていた茶碗や空き瓶などの日用品もありました。
茶碗の形や大きさ、デザインが、今とほとんど変わらないものだったので、不思議な感覚になりました。
ココポ戦争博物館(Kokopo War Museum)
住所:East New Britain Historical & Cultural Centre, Rabaul 611
ココポマーケット
いつでも地元民で賑わうココポマーケットでは、地元産の野菜や果物をはじめ、バスケットやバッグ、メリブラウス(女性用のワンピース)や貝殻のアクセサリーといった、地元民によって作られた様々なアイテムが売られています。
お店の人たちは皆フレンドリー。
気になるアイテムがあれば、声をかけると笑顔で説明してくれたり、食べ物ならば味見させてくれたりします。
穀物袋をリサイクルして作られたカラフルなバッグは、日本ではあまり見かけないデザインで可愛いです。しかもすごく丈夫!
マーケットのアイテムは、スーパーやモールのショップなどで買うより安いので、お土産を買うにもおすすめな場所です。
ココポマーケット(Kokopo Market)
住所:Kokopo Market East New Britain PNG
ラバウル・ココポ観光はツアーがおすすめ
ラバウル・ココポの観光スポットは見どころが多いうえ、点在しているので、効率よく周るにはツアー参加がおすすめです。
また、ツアーでは同乗する地元のガイドが、各スポットについて説明してくれるのはもちろんのこと、鍵が必要なスポットのやり取りをしてくれたり、入場料が必要なスポットの支払いは不要で、戦跡がある村の村人(現地人)と直接話をしてくれたりと、とっても安心でき、スムーズに観光できます。
ラバウル・ココポ観光の際に私が泊まったココポビーチバンガローリゾート(Kokopo Beach Bungalow Resort)でもたくさんのツアーを取り扱っています。
ココポビーチバンガローリゾートについてはこちらの記事で紹介しているので、よければチェックしてみてください。