明るくて陽気な南国の楽園、というイメージが強いフィジーですが、そんなフィジーにも、まるで過去へタイムスリップしてしまったかのような懐かしさを感じさせる港町があります。今回はフィジー唯一の世界遺産にも登録されている「レブカ歴史的港町」を町の魅力と共にご紹介します。
目次
歴史的港町「レブカ」

フィジー本島であるビチレブ島から東へ20kmほど行ったところに、人口約8,000人ほどの小さな島・オバラウ島があります。レブカはこのオバラウ島の東部に位置する港町です。
もともとは小さな村でしたが、19世紀初頭から貿易の拠点として、欧米人により開拓されていきました。
1874年にイギリスの保護領になると、フィジー最初の首都となり、ヨーロッパ人の入植者によって、英国風の建築物が次々と建てられました。
しかし1882年に首都がスバに移ったため、短期間で大きく発展したレブカは、急速に衰退していきました。

時代に取り残されてしまった感は否めませんが、今ではそれこそが町の最大の魅力となっています。
当時の建物がそのまま残っているおかげで、フィジーの伝統とヨーロッパの文化が融合した、ここでしか見られない独自の景観を持つレブカは、2013年に「レブカ歴史的港町」の名称で世界遺産に登録されました。
レブカ(Levuka)
住所:Levuka
レブカ観光Webサイト:https://www.levukafiji.com/
レブカへの行き方
レブカへ行くには、フィジー本島にある首都スバから向かうことになり、フェリーと飛行機の2通りの方法があります。
フェリー

私が利用したPatterson Brothers Shipping Ltd.のフェリーで行く場合、運航は往復ともに1日1便。
飛行機と比べ料金は安いですが、所要時間は片道で約4時間、料金は片道 FJD35ドル(約2,170円)です。※バスの料金も含む
行程は以下のようになっています。
【行き】※月~土
13:00 搭乗確認
13:30 スバ出発(バスで2時間)
15:30 ナトビ港出発(フェリーで1時間)
16:30 ブレサラ港(オバラウ島)出発(バスで1時間)
17:30 レブカ到着
【帰り】※月~土
03:30 搭乗確認
04:00 レブカ出発(バスで1時間30分)
05:30 ブレサラ港(オバラウ島)出発(フェリーで1時間)
06:30 ナトビ港出発(バスで1時間30分)
08:00 スバ到着
チケットはPatterson Brothers Shipping Ltd.のオフィスで購入できます。
ネット予約のシステムはないようなので、オフィスに直接行って事前に予約、購入するのが確実です。
出発日まで時間的に余裕がある方は、チケットオフィスのメールアドレス、fijisearoad1@gmail.comから問い合わせてみることも可能です。
私はチケット購入のため乗船前日に直接オフィスに行きましたが、わかりにくい場所にあったため、近くにいたフィジー人の助けを借り、無事たどり着くことができました。
なかなか見つからない場合は、フィジー人に助けてもらうといいかもしれません。彼らの優しさを身をもって感じられると思います。
移動手段の費用を抑えたい方だけでなく、フィジー人と交流してみたいという方にも、フェリーの利用がおすすめです。フェリー乗船の際には、きっとフレンドリーなフィジー人があなたに声をかけてくるでしょう。
Patterson Brothers Shipping Ltd.オフィス
住所:Patterson Bros., Epsworth House, Nina Street, Suva
調べてみたところ、上記で紹介した会社以外にも、スバからレブカまでのフェリーを運航している会社は他にもあるようです。数社あると、自分の都合に合う会社を選べるので便利ですね。
飛行機【現在運休中】
飛行機で行く場合、便は多くありませんが、以下のようにとてもシンプルな工程で、到着までの所要時間はたったの15分。フェリーと比べると料金は高くなります。
【行き】ナウソリ空港(スバ) → レブカ 【帰り】レブカ → ナウソリ空港(スバ)
片道または往復チケットはNorthern Air Servicesaで購入できます。時間重視の方には飛行機がおすすめです。
※2022年8月現在、レブカ行きの便は運航を休止しているようです。
見どころは?
セイクレッド・ハート教会

レトロな石造りの時計台が素敵なカトリック教会。レブカの町のランドマーク的存在になっています。
教会は他にも点在し、形もそれぞれ違っているので、町を歩き回っていろんな教会を見つけてみるのも楽しいです。
セイクレッド・ハート教会(Sacred Heart Church)
住所:Sacred Heart Parish Catholic Church, LEVUKA


ミッション・ヒル

199段の階段とも呼ばれるミッション・ヒル。上りきった場所にある丘からはレブカの町を一望できます。

ミッション・ヒル(Mission Hill)
住所:199 Steps of Mission Hill, levuka
メインストリート

レブカのメインストリートは100年前の町並みがそのまま残っています。
首都のスバからやってくると、まるで過去にさかのぼってしまったかのような感覚を覚えます。
レストランはあるの?
レブカは小さな町ですが、約3,500人の人々が住んでおり、食事ができるレストランもいくつかあります。
利用した中でも個人的におすすめのレストラン2店舗をご紹介します。
Whale's Tale Restaurant【閉業】

地元の人もおすすめするレストラン。シーフードを使用したヨーロッパ料理やフィジー料理をいただけます。
価格は手頃でどのメニューも美味しく、スタッフもすごくフレンドリー。何度も来たくなってしまうレストランです。

2022年8月現在、お店は閉業しているようです。素敵なレストランだったので残念です。
Horizon Restaurant

町の南端に位置するレストラン。地元のフィジー料理やヨーロッパ料理、美味しいピザ、インディアンカレーなどをいただくことができ、お酒も楽しめます。

Horizon Restaurant(ホライズンレストラン)
住所:Horizon Restaurant, levuka
小さなお店も
レストランの他にも、パン屋さんやスーパーマーケットなどもあります。そういったお店で軽食を買って、海を眺めながら外でのんびり食べるのもいいですね。

パン屋さんのショーケース。左上のクリームパンは日本円で約35円。安い!

スーパーマーケット。といっても、こぢんまりとした小規模な可愛らしいマーケットです。
泊まれるところはあるの?
レブカからフィジーの首都スバまでフェリーを利用する場合、出ている便は早朝の1本のみ。そのため、スバからレブカへの日帰り観光は不可能ですが、レブカにもちゃんと宿泊施設があるのでご安心を。その中でもおすすめの2つをご紹介します。
ROYAL HOTEL

レブカのはずせない見どころの一つにもあげられる、1870年代に建てられたという、レブカで有名なフィジー最古のホテル。
街には他にもいくつか宿はありますが、せっかくレブカに来たのであれば、こちらの宿でフィジーの最古を感じてみてはいかがでしょうか。
英語になりますが、ROYAL HOTELの公式サイトの「Contact」のページから直接ホテルにメッセージを送ることで予約できます。
【宿泊した際の1泊料金】
・ツイン または ダブルルーム FJD58.30ドル(約2,800円)
・コテージ FJD99.00ドル(約4,800円)
※こちらは宿泊当時に直接メールで問い合わせて聞いた料金のため、料金は変わっている可能性があります。宿泊される場合は、事前に料金を問い合わせることをおすすめします。


ROYAL HOTEL(ロイヤルホテル)
住所:ROYAL HOTEL, levuka
Webサイト:https://www.royallevuka.com
Levuka Homestay

レブカホームステイは、レブカの宿の中でも、宿泊者の評判が非常に高い宿です。
建物は町に溶け込むコロニアル建築で、内部にはフィジーの工芸品が飾られています。
屋根付きのデッキではのんびりくつろいだり、建物上部のデッキからは美しい海の景色を一望できます。
ガイドに街を案内してもらうツアーなども取り扱っており、宿泊しない方でも利用できます。
英語になりますが、Levuka Homestayの公式サイトの「Booking & Rates」のページに記載されているメールアドレスから直接ホテルにメッセージを送ることで予約できます。
【1泊料金】※全て朝食を含む
・シングルルーム FJD170.00ドル(約10,570円)
・ダブルルーム または ツインシェア FJD190.00ドル(約11,810円)
・トリプルルーム FJD210.00ドル(約13,060円)
※2022年8月現在の情報です。
Levuka Homestay(レブカホームステイ)
住所:PO Box 50, Levuka
Webサイト:https://www.levukahomestay.com/
おわりに
レブカの最大の魅力の一つは、その独特の景観ですが、地元の人々の人柄も、大きな魅力の一つです。
そもそもフィジー人はみんな、基本的に明るく優しくフレンドリーなのですが、レブカの人々は土地柄からか、さらにフレンドリーで人情味あふれる人が多いような気がします。
話しかけるとまるで家族のように接してくれ、すぐに笑顔にさせられてしまいます。
彼らとの交流は、きっと良い思い出になるはずです。

フィジー本島からは少し離れた場所にあるレブカですが、この小さな港町にはたくさんの魅力が溢れています。
南国の楽園というイメージ以外のフィジーを見たくなったら、ぜひこの町に足を運んでみてください。